ストーリー発想のポイント【作家裏話】
物語のアイデアを
発想する時のポイントは、
一見矛盾した設定を用意することです。
完全に予定調和な
安定した物語に、魅力を感じる人はいません。
適度に破綻している物語の方が、
よっぽど魅力があります。
たとえば、
ただの会社員の平凡な日常
を描いたストーリーと
殺人事件を起こした人間の日常
を描いたストーリーでは、
どちらに魅力を感じますか？
明らかに後者ですよね？
なぜそういう物語に魅力を感じるのか。
それは、適度に破綻しているからです。
殺人事件を起こす人間は、
一見すれば確実に破綻しています。
なぜなら、人を殺すことは
人として決して
やってはいけない行為だからです。
そんなやってはいけない行為を
やってしまっている時点で、
もはや「破綻」と言わないでなんと言いましょうか。
でも、だからといって、
人として破綻しているから
すぐに処刑するべきだ、
こんな人の過去なんて、
全く知りたくもない！
とは思えませんよね？
むしろ、逆に
「なんでこういう選択を
してしまったのだろう」
とか、
「この人の過去は
どういう人生だったのだろう」
などのように、
相手に興味が湧く人も
一定数いるはずです。
そうなんです。
適度な破綻は人に謎を残して、
その謎が人の興味をそそるのです。
そういう興味の原理を、
ストーリー制作に活かさない手はありません。
ちょっとした設定の矛盾だけで、
そのストーリーの良し悪しを
決めるのはやめましょう。
むしろ、その破綻をミステリーに変えて、
そのミステリーをおもしろくできるようにする
努力をしてみましょう。
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